ハーバード経営学教授がBTSの成功を研究
BigHitエンターテイメントと、BTSの、グローバルな成功例を分析したハーバード経営大学院(Harvard Business School, HBS)の報告書が話題になっています。
先月26日(現地時間)、ハーバード経営大学院のアニータ・エルバース(Anita Elberse)教授のチームが、BigHitとBTSの成功要因を分析したケーススタディーを「ハーバード・ビジネスレビュー(Harvard Business Review)」に公開しました。
「BigHitとBlockbuster(社会現象)バンドBTS:世界へ羽ばたくK-POP」というタイトルの研究報告書を公開。今回のケーススタディーでは、BTSを「全世界数百万人のファンの支持を得た真のスーパースター」「米国市場を含め、世界で類を見ない成功を収めた20代の男性7人組バンド」と紹介し、「歌のほとんどが韓国語でできているという点で驚くべき業績」と分析した。
研究は昨年8月から、教授の研究チームがソウルを訪問して始まり、BigHitによると
研究チームはK-POPならではな、アーティスト育成システム、歌手とファンとの関係性などにスポットを当て、パン代表はもちろん、ユンCEO、BigHitの戦略スタッフなどへのインタビューを通じて、防弾少年団について、集中的に調べていた。
報告書には、BTSが構成されるまでの過程や、デビュー前のストーリーから、グローバルスターに成長した現在までの歴史を細かく考察しており、BigHitのトレーニングシステムと、投資決定過程なども取り上げている。
特に過去、一時期に経営困難に陥ったBigHitが、2011年のワークショップを通じて戦略を再整備し、市場に対してより広い「洞察」を持つようになった過程が紹介されている。
BigHitが躍進した過程について
典型的なK-POPアイドルシステムと、それをどのように持続可能なビジネスモデルに発展させることができるかを研究。BigHitでは、K-POPシステムの効率性と、アーティストそれぞれの自律性(individuality)に対する尊重の間で、理想的なバランスを取るために努力している。
と、育成方針を紹介しています。
エルバース教授の来期の講義教材にBTS
続けて、2018年にBTSメンバーと、BigHit側とで結ばれた、7年にもおよぶ早期・長期の再契約についても言及している。
パン代表は当時のことを、メンバーたちは「7年差し上げますので、僕たちが成し遂げた成功に相応する認定を下さい。そして、それを契約に反映して欲しい。」と伝えて来た。
ユンCEOは「我々の会議では、資金についてはあまり話さなかった。私たちが話したのは「ファンと顧客に、何を提供すべきか」だった。
研究チームは、BTSが今後、現在の成功を持続していけるのか?また、BigHitが他のグループを通じて、BTSの成功を再現できるのか?についての疑問も投げかけている。
なお、エルバース教授はエンターテインメント、メディア、スポーツ産業などを研究しており、エンターテインメント産業で展開される戦略に注目した著書『ブロックバスター戦略』で知られる人物で、 今回の研究内容は、エルバース教授の来学期の講義教材として使用される予定。