韓国・K-POPコンサートの観客制限 4000人まで引き上げへ(ドリームコンサートに注目)

※この画像は昨年「第26回」のもの

韓国・国内K-POP公演観客人数制限、4000人まで緩和へ

今月14日から、K-POPなどの、いわゆる大衆音楽コンサート会場への入場制限が、100人未満から最大4000人まで、大幅に拡大されることになった。

これまで、ミュージカルやクラシックなど、他の公演ジャンルとは違い、大衆音楽への規制は厳しく、他ジャンルとの公平性への問題がずっと指摘されて来た。

中央災難安全対策本部が本日(11日)、大衆音楽公演会場への入場制限変更などの内容を盛り込んだ、新たな「社会的距離を置く調整案」を発表した。

これを受け、しばらく低迷していた大衆音楽コンサートに、近いうちに弾みがつくものと見られている。ワクチン接種による防疫緩和を見込んで、公演を準備してきたコンサート企画各社は、ひとまず安堵し、今後の計画に力が入る。

公演側は、今回の「社会的距離」緩和発表前から、徹底した防疫対策を準備し、録画機能が搭載された画像カメラの設置、スタンディングゾーンなしでの、例年の40%水準の距離を置いた座席制度、状況によっては、オンラインとの同時開催なども予定している。

特に国内コンサートでは初めて、10分以内に結果が確認できる「スピード抗原キット」による、自己診断なども実施する。

また、今月26日にワールドカップ競技場で開催予定の、アイドルの合同公演「2021年 第27回ドリームコンサート」については、非対面でのオンライン公演が発表されていたが、今回の緩和決定により、当初からオフライン公演も並行して対応を考慮していたとあって、「座席の距離」などを取り入れ、オフライン開催の可能性も出て来た。

海外ではすでに、マスクなし&距離なし、公演も

大規模コンサート開催に向け、ワクチン接種の必要性指摘

K-POP業界では、今回の緩和決定を受け、この夏が、下半期の大衆音楽コンサートの基準点になると見ており、特に、少なくとも1万人以上が集まる大規模なアイドルコンサートの再開に向けた、重要な時期と注視している。

4000人以下での公演が安全に行われ、ワクチン接種も加速すれば、近く、4000人を超える、コロナ前の観客数も可能になる、との予想がされているためで

新型コロナウイルスの影響で、これまで特に音楽業界でも、大衆音楽(K-POP)の公演は甚大な被害を受けてきた。韓国音楽レーベル産業協会によると、昨年2月から今年5月までの韓国大衆音楽公演の被害推定額は

約1840億ウォン

に達すると、試算されている。

今後の大規模コンサートの開催に向けては、何より、演者(アーティスト)と観客(ファン)双方のワクチン接種が急がれる、海外ではすでに「社会的距離を置かず&NOマスク」での、スタンディングでの密着した公演も開催されている。

また、ワクチン接種を促す目的で、今月、米国で開催されるロックグループ「TEENAGE BOTTLEROCKET」のコンサートでは、ワクチン接種の有無によって、入場料に大幅な差をつけていることも、注目を集めた。

接種者の入場料は 18ドルなのに対し

無接種者の入場料は約55倍も高い、1000ドル

このようなアメリカの状況を見て、韓国の音楽業界も、ワクチン接種者にインセンティブを与える方法で、観客の参加度を引き上げるべき、という声も増えている。

また、その一方で、新型コロナウイルスが落ち着けば、爆発的にコンサート開催が増えるとの見通しがあり、韓国国内の会場確保に対する調整への懸念も出ている。