K-POPのウリなのに?「振付師」立場弱い調査結果(今も未契約&口約束?振付け著作物への意識改善必要)

「10人中4人」が契約書なしで創作進行

韓国振付著作権協会 協会長リア・キム「振付師」の現状公開

韓国振付著作権協会の協会長を務める、有名ダンサーのリア・キム(Lia Kim)氏、副協会長のアイキ(AIKI)氏が、韓国で活動する振付師(choreographer)の現状について、著作権保護の実態および、振付著作権認識現況調査の結果を公開しました。

K-POPの特徴ともいえるダンスですが、現在も振り付けに対する創作契約をはじめとする、制度的環境は不備で、著作権に対する認識も改善が必要であることを明かしています。

40%が今も口約束や未手続きで振り付け進行

今回の調査は、国内の振付師92人を対象に行われ、回答者の平均振り付け創作経歴は6.75年であり、全体の約87%がK-POPの振り付け創作経験があります。

まず、振り付け著作権保護現況と関連し、ここ3年の振り付け創作参加時に主に締結した契約類型を尋ねる質問では、回答者の約40%が

口頭契約 26.1%

何の契約手続きも経ていない 13%

と、正式な契約書が作成されていない現状が明らかになっています。

理由として

契約書作成の必要性を感じたが、慣行上要請できなかった 47.8%

従うしかない「依頼者側が優先、一方的」

契約の際、契約条件に対する協議が可能かどうかを尋ねる質問

主に元請け業者の意思が反映される 55.4%

契約条件を一方的に通達される 23.9%

回答者の約80%が、元請け業者の意思が優先的であり、従わざるを得ない不利な条件と明かしています。

また、振り付け著作物の成果にともなう追加補償経験を尋ねる質問には

追加補償経験など全くない 85.9%

振り付け著作物の登録経験、わずか「2.2%」改善必要

さらに、振付師たちの、振付著作権登録および声明表示経験も未だ低いことが確認されています。

著作権委員会に振り付け著作物を登録した経験のある振付師は全体のわずか「2.2%」に過ぎず、振り付け著作権登録をしていない主な理由として

振り付け著作物に対する低い認知度 72.2%

登録手続きに対する情報不足および、困難 72.2%

このような現状が長く続いていることもあり、回答者の約92%が「振り付けの著作権保護」の必要性を感じていることも明らかになっています。

(リア・キム協会長)今回の調査は協会の本格的な活動に先立ち、振付師たちの処遇現況および、振付著作権認識程度を把握するために進行しました。

調査結果を参考に、今後は振り付け著作権に対する情報を十分に提供すると共に、標準契約書、声明表示権導入など、振り付け著作権の現実化と振り付け創作環境改善のため努力を持続していく予定です。