BigHitの大株主、上場早々の「売り爆弾」調査へ
今年の下半期、韓国の証券業界「超目玉・上場」とまで言われていた、防弾少年団が所属する芸能事務所、BigHitエンターテイメントの株価暴落について、開始直後、1度は最高値を付けたものの、数分で下落を続け、その後も持ち直していない背景について、取引所が調査に乗り出すことが話題になっています。
<BigHitの内部資料に近づけた大株主が「売り」に走ったことに注目>
BigHitは、今年下半期の企業公開(IPO)の「目玉」に挙げられていた。米ビルボードまで名前を知らしめたBTSが所属していることは、個人投資家たちの関心を高め、BigHitはこの点を最大限に利用し、積極的な広報に乗り出した。
さらに、プラットフォーム事業にまで進出した理由として、公募価格の算定に、エンタメ業種だけでなく、ネイバーやカカオも同業界に含ませ、「13万5000ウォン」という、とんでもなく高い公募価格を策定したりもした。
しかしBigHitの「小細工」は結局、自分の足を引っ張ることになった。エンタ業種にしては、公募価格があまりに高い上に、公募価格の200%で取引を開始し、価格負担を増大させたのだ。
プロの投資家らは次々と売りに出し、それが株価暴落へと繋がった。「タサン(公募価格の2倍を付ける、取引開始後の高値)」まで記録した株価は、今となっては公募価格と大差のない、14万ウォン台まで暴落した状態になっている。
さらに、上場過程で、損益構造や財務状態をきちんと公開しないという「神秘主義」を固守してきたBigHitだが、主要内部情報に近づくことができたとされる、4大株主であった投資会社の「STIC INVESTMENTS(スティックインベストメント)」「メインストーン」などが、上場直後、株を売りさばいた決断に、今注目が集まっている。(※スティックとメインストーンは、BigHit社内に登記役員を1人ずつ送っている)
これがBigHitの株価暴落の要因になったと言われているが、彼らが単に差益目的のため、株を売買したのか?または、内部情報を知った上で、被害を少しでも減らそうとしたのか?の確認をするため、現在、韓国取引所が調査に乗り出す事態にまで発展している。
また、BigHit株については、本日(3日)、中国の「Legend Capital(レジェンドキャピタル)」がウェルブリンクを通じて保有していた償還転換優先株177万7568株を、普通株に転換するとして、1株当たり、2118ウォンで追加上場される。
また、16日には1ヵ月義務保有確約物量132万2416株がさらに供給される予定で、これは既存発行株式数の3.17%に当たる規模だ。これにより、推定される既存の残余物量は217万株程度から、約306万株に増えることになった。
このように、株式市場とは
いつでも売りに出されかねない。
というのが、投資家らの心理を悪化させる要因ともなっている。今も持続した株価下落で、KOSPI200に入るかどうかすら、危うくなったBigHitは、さらに焦りを募らせることになるだろう。
すでに、BigHitの株価の流れは悪化しており、バリュエーション(企業の利益・資産などの企業価値評価)の支持線も崩壊している。
取引所が年内にも調査報告の予定
最近、大型上場として注目された、BigHitエンターテイメントの株価が急落したことについて、韓国・証券取引所が株を大量に売った、私募ファンドに不公正取引がなかったかどうかを調べる調査に乗り出す。
同ファンドらが、保有株を大量に売ったことで、開始早々に株価が急落したのだが、この過程で株価操作や、内部情報の利用があったのか?など、確認作業がされる見通し。
公募直後に株価が上昇した事例は多いが、急落したケースは無かったため、具体的な内容を調べる必要がある。
ただ、証券関係者からは、賛否も起こっている。
● 個人投資家の被害が特に大きかっただけに、徹底的に確認する必要がある。
● 証券関連機関が、世論に振り回されるのは問題だ
株価が急落した新規銘柄について、取引所が不公正取引の調査をするのは初めてで、遅くとも年末までに結論を出す予定。