4月、5月カムバック大戦、第4世代ガールズグループの世界観
4月にIVE、5月にはLE SSERAFIM(1日)、aespa(2日先行シングル、8日アルバム発売)と、春にカムバック大戦となった第4世代ガールズグループについて、その独特な世界観と、コンセプトの違いが話題になっています。
IVE、自己愛から確信へ
初フルアルバム「I’ve IVE」でカムバックしたIVEは「自己愛」を歌ってきた。デビュー後、今まで発表した3枚のシングル「ELEVEN」「LOVE DIVE」「After LIKE」の歌詞とパフォーマンスには、溢れるナルシシズムが盛り込まれていた。
特にデビュー曲の「ELEVEN」の歌詞には
透明な君と私の関係
ジっと覗き込んだら
ゆらゆら波の中へもっとハマっていく
圧倒的なビジュアルと、自信溢れる態度でステージを飾るIVEに合った歌詞となっている。
2作目の「LOVE DIVE」では
Narcissistic(自身を称賛、自己陶酔的), my god I love it
と同時に、手鏡で自身を見つめる振付け。
しかし新曲の「I AM」カムバック会見では、メンバーがさらに進化したメッセージ性を明かしている。
これまでが愛について、主体的な姿を歌っていたとすれば、今回は自分自身の堂々とした姿を表現しようと思った。愛ではなく、主体的な人生にもっと集中した。
IVEは新作でさらに、自己愛を越え、自身への確信、堂々さを歌い始めている。
リアルさのLE SSERAFIM、ファンタジーのaespa
LE SSERAFIM、現実密着型叙事
LE SSERAFIMは「叙事(ありのまま、リアルさ)」が似合うグループといえる。
現実に根付いているからこそ、これまでのファンタジー的で過度な設定に疲れたK-POPファンたちは、LE SSERAFIMの「現実密着型叙事」に共感している。
LE SSERAFIMはメンバーが直接経験した事、当時の感情を歌詞に溶け込ませ、自分たちの話を等身大で伝えているグループとして定着している。
デビュー曲「FEARLESS」では
興味ない、過去のみんなが知ってるあのトラブルには
と、このパートは「プロデュース48」で落選したユンジンが歌っているが、「プロデュース101」シリーズで順位操作スキャンダルが起こったことを連想させる。
続く「ANTIFRAGILE」では、15年のバレエ経験を持つカズハが
忘れないで、私が置いてきた toe shoes
アイドルグループデビュー3回目となる咲良は
バカにしないで、私が歩んで来たキャリア
など、メンバーの歩んできた道、感情がリアルに歌詞に反映されている。
aespa、SM世界観を引き継ぐ
一方のaespaは、IVE、LE SSERAFIMとは違い、まさに「世界観」にふさわしいコンセプトを構築しているグループ。
EXOから始まったSMエンターテインメントの「ファンタジー世界観」が、後輩であるaespaで花を咲かせ、受け継がれている。
aespaの世界観を理解するためには、重要キーワードとして、「ae」「SYNK」「Black Mamba」「nvisvis」「FLAT」など、新たな単語と概念から学習しなければならない。さらにここに、SMエンタの世界観全体を網羅する「KWANGYA」の存在が加わり、aespaのストーリーがあたかもSF映画を見ているかのような気分にさせる。
aespaの世界観について、SM関係者自身もインタビューで
世界観をきちんと説明するための「設定集」まで作った。内部でも世界観をよく理解できていないまま、他の方向性のコンテンツを作らないため。
世界観についてはファンダム内でも「容易ではない」「複雑すぎる」という声も出ているが、それが逆に一度ハマると、抜け出せないaespaの魅力や醍醐味ともなっている。