「BTS法」適用芸能人はBTS以外 今後出て来ない可能性も
今月22日に交付され、来年6月に施行される「兵役法改正案」について、これまで適用外だった大衆芸能人に対しても、文化体育観光部長官が推薦した者に限り、30歳までの入隊延期が可能になりますが、その適用者が「BTS以外はいない」との指摘が話題になっています。
今回の法改正で、大衆文化芸術(歌手、俳優)における優秀者に対しても、軍入隊を延期できる道が開かれましたが、しかし、選ばれる対象者について
文化勲章・褒章を受章したアーティストのうち、文化体育観光部長官の推薦を受けた者に限る
とする、現行通りの対象者のまま施行された場合、事実上、同法案の恩恵を受けることができる大衆文化芸術家は、BTSを除けば皆無になることが、韓国音楽コンテンツ協会から指摘されています。
BTSは2018年に、史上最年少で「花冠文化勲章」を受章していますが、これは異例中の異例だと話題になったほどで、BTSだけが唯一、今回の兵役延期法の対象に該当します。
「K-POP発展のため」なら、受章者 規定は厳し過ぎる?
現在、大衆文化芸術家に対しては「褒章(年齢を問わず功績に与えられる)」はなく、「勲章(長年の実績から与えられる」だけが与えられている状況で、勲章受賞者に推薦を受けるためには、基本的に当該分野における活動が15年以上の条件が必要とされています。
K-POP歌手は10代半ば、および20歳前後にデビューすることが多く、そこから15年のキャリアを積めば、ほとんどが30歳を超えている計算になるため、事実上、軍延期の恩恵を受けるのは不可能に。
また、これまで「勲章」を受賞した大衆芸術家の平均年齢は67.7歳で、これを「入隊延期基準」にするのは、そもそも不適切だという意見まで集まっている。
韓国音楽コンテンツ協会 チェ事務総長は
国家が「K-POPを通じた国家ブランド向上」の功労を認め、困難な状況でも良い趣旨の制度を作ってくれたことには感謝するが、実質的に誰も適用されない法案となるのであれば、どのような意味があるのか?と問い直したい。
政府方針で施行令が制定されれば、仮に「第2のBTS」が出てきても、恩恵を受けることは不可能となる。
この法案が単に「BTSの兵役問題」だけではなく、K-POP産業の振興のためであるのなら、明らかに法案の趣旨と異なる施行令を設計しているため、再考が必要だろう。
と、適用される範囲を広げる、意見を伝えています。
なお、入隊延期対象者の範囲はまだ正式には決まっておらず、現在、文化体育観光部と兵務庁が検討中となっています。