K-POP女性グループ人気時代 なぜ最近のボーイズグループ曲は大衆に知られてない?(NewJeansのヒット理由)

2022年男女人気グループ 代表曲の累計再生数

ガールズグループ人気、今年も継続中

K-POPのボーイズグループ世代は現在、第1世代(1990年代)のH.O.T~第2世代の東方神起~第3世代のEXO、BTSに続き、StrayKids、TOMORROW X TOGETHERなどを筆頭に第4世代(2020年代)まで続いています。

実物アルバムの販売数は年々増加し、ミリオンを超えてダブルミリオンを出す歌手も出ていますが、「大衆的ヒット曲」がないことが指摘されています。

しかしガールズグループは好調で、aespa、IVE、NewJeans、LE SSERAFIMなど、新世代が人気となっています。

BTSの王の座が空席

昨年K-POP業界で始めて、ガールズグループがボーイズグループを圧倒した年と記録されました。特にデビュー間もない、IVEやNewJeansのヒットが注目されましたが、その反面、ボーイズグループの成績は不調に。

このような昨年の状況は今年に入っても続いていて、3月になった現在、メロンチャート10位圏内に入ったボーイズグループはSEVENTEENのユニット「ブソクスン」のみ。

NewJeansは1位の「Ditto」をはじめ、2位「OMG」、3位「HypeBoy」と上位を独占しています。そこに最近、STAYCの「Teddy Bear」も加わり、相変わらずガールズグループ人気が続いています。

BTSが入隊期間に入ったことで、多くのボーイズグループが「王座」に挑戦しているものの、その座を脅かすグループはまだなく、ファンダム関連の掲示板にはとうとう

この13年、ボーイズグループだけを追っかけて来たが、生まれて初めてガールズグループのファン活動を始める。

というファンまで出て来ています。

「ファンダム」対「大衆性」は昔の話?

K-POPが人気となってからこれまで

ボーイズグループはファンダム

ガールズグループは大衆性

と言われて来ましたが、現在のボーイズグループは「ファンダム」でも押されている状況と言えます。

本来の意味は、ガールズグループがボーイズグループに比べファンダム力が弱いため、「大衆性で勝負する」という意味でしたが、現在のガールズグループはファンダムの力も強力です。

BLACKPINK、TWICEはもちろん、aespa、IVE、NewJeans、LE SSERAFIM、など、新人グループまでもアルバムでミリオンに到達しています。

ただ、ボーイズグループのアルバム販売量は驚異的で、StrayKidsは昨年「MAXIDENT(タイトル曲「CASE143」)」が300万、TOMORROW X TOGETHERも200万枚(タイトル曲「Sugar Rush Ride」)を超えました。しかし、どちらのタイトル曲も大衆的によく知られていないことが指摘されています。

チョン・ミンジェ音楽評論家は

アルバムを100万、200万枚も販売して、ヒット曲がないということが話になるのか?本当に奇形的な現象

(ボーイズグループは)ファンダムだけでグループの維持が可能なので、ヒット曲に対する必要性がなく、コンセプトさえうまく練れば可能となって来た

実際、ファンたちはアルバムの中に入ったフォトカードを集め、ファンサイン会に応募する目的でアルバムを大量に購入していることが知られています。

この1年でメロンの月間チャートの最上位圏に入ったボーイズグループは、BIGBANG「春夏秋冬」だけとなっています。第3~4世代はいずれも音源チャートで苦戦していることが分かります。

音源で弱い理由として

男性アイドルの曲は簡単に再生ボタンが押されない

「推し」以外の男性アイドルの歌は聞かない

という意見が見られます。

ボーイズグループのコンセプトはより難解に

なぜボーイズグループは大衆からより遠ざかるようになったのだろうか? ボーイズグループの系譜は、世代が進むたびに音楽が難しくなり、大衆から遠ざかるようになっている。

特に第3世代以降、ヒップホップ基盤の音楽が流行し始め、ボーイズグループの音楽はメロディーより「チャント」に近いサビが多くなり、これに伴い大衆が簡単に真似しにくい音楽が多数出てきた。

SISTARの「Alone(나 혼자)」などのヒットで知られる作曲家パク・ヒョンジュンは

事務所が曲を受給する時点で、ボーイズグループはメンバーたちのパフォーマンスが浮き彫りになる曲、素敵に見える曲を要請する

口にフィットするメロディーラインを注文するガールズグループとは違う点

ボーイズグループのファンダムの火力のすごさに気づいた事務所側は、本格的に「大衆」ではなく「ファンダム」向けの曲作りを始めたため、ボーイズグループのコンセプトはますます難解になり、ファンだけにしか分からない複雑な世界観が導入されるようになった。

さらに国内の大衆性に頼らなくても、海外ファンダムがさらに強力となり、海外ファンにウケる高度なパフォーマンス中心の曲を披露することが増えていきました。

NewJeansの人気は「自然さ」

しかし時代が変化して来ていることは、歌謡界でも言われています。

ボーイズグループにも(大衆的)ヒット曲が出なければならない時が来た

PSYは、自身がプロデュースする新人グループ「TNX」について

今はもう少し聞きやすく、みんなが楽しめる大衆的な音楽にする

と明かしています。

その中で注目されるのはNewJeansのヒット、国内の音源チャートはもちろん、米ビルボード「HOT100」に6週間滞在、Spotifyではこれまで発表した6曲の合算累積ストリーミング数が10億回を突破しています。

NewJeansの成功は、ボーイズグループへのヒントとなるだろう。

NewJeansの成功要因は、これまで定着していた公式のすべて「反対」をしたことにある。「見る音楽」ではなく「聴く音楽」を披露し、完璧な姿ではなく自然な姿を披露した

NewJeansの歌には無理な高音や、詰め込まれたラップパートがない。まるで1990年代のポップソングのように美しいメロディーを基盤にして、大衆も聞きやすい。「一緒になって歌いやすい」という特徴がある。

通常、K-POPアイドルは「コンセプト企画」が先に行われ、そこから歌を決めます。しかしNewJeansは歌が先にあって、その後にコンセプト企画とメンバー構成が完成しているため、歌、コンセプト、メンバーたちの雰囲気が有機的に構成された点が注目されています。