今年デビューした2組、デビュー作がいきなりミリオン
今年デビューしたボーイズグループについて、デビューからいきなり100万枚を超えるグループが2組出るも、その反面、アルバムがそれだけの大ヒットながら、音源チャートがふるわない様子が話題になっています。
先週4日にデビューした、SMエンターテインメントの新ボーイズグループ「RIIZE」は、デビュー1stシングル「Get A Guitar」が先行注文で103万枚を記録し、初動(発売初週)売り上げが106万枚を突破しています。
また、今年7月にデビューした、Mnetサバイバル番組「BOYS PLANET」から誕生した「ZEROBASEONE(ZB1)」のデビューアルバム「YOUTH IN THE SHADE」は、初動182万枚を記録し、歴代K-POPで、デビュー作が初動でミリオンを突破した初の歌手となっています。
「第5世代」ますますファンダムと大衆性が乖離
「K-POP市場」は30年の時を経て、現在「第5世代」に入ったとされ、まさに今年、次世代を担う新人歌手2組が、デビューからいきなりのミリオンを記録する新時代へと突入しています。
しかし、アルバム販売量と、「大衆・世論が聴く」とされる音源チャートのランキングの差があまりに離れていることが指摘されています。
ファンダムと大衆性の乖離がさらに広がった。
と、急増するアルバム販売量に反し、大衆がほとんど、大ヒットアルバムであるはずのタイトル曲ですら、知らない現状を指摘しています。
アルバム販売量の増加は、K-POP市場が歴代歌手により培ってきた「恩恵」を受けているものとされ、新人歌手だけでなく、K-POP全体のアルバム販売量が急増傾向にあります。
「アルバム販売インフレ」が出血競争に
しかし、昨今の過剰な「アルバム販売インフレ」が出血競争につながるという憂慮もあります。
ファンダム火力を示す指標とされる「アルバム販売量」と、大衆的な認知度の指標となる、音源チャートの結果がどんどんかけ離れて来ている。
RIIZEの「Get A Guitar」、ZEROBASEONEの「In Bloom」、両者のデビュー曲はそれぞれ、大手音源サイト「メロンチャート(8日付)」で90位と93位となっており、「大衆的な支持を受けている」とは言い難い順位。
第5世代がデビューからヒットする、今の基盤を作った先輩たちである、第3~4世代の歌手らは、ファンダムだけでなく、大衆的に音源チャートで成功した地位も築いており、現在もメロンチャートの30位圏内には、BTS、SEVENTEENらの名前がある。
(漢陽大学・文化コンテンツ学科教授)
急増したアルバム販売量は『ファンダム過剰』と見ることができる。「ファンが喜べば、大衆も共に喜ぶ」という、一種の「バンドワゴン効果(時流に乗る、勝ち馬に乗る=多数が支持)」を狙ったが、「市場の反映」である音源成績が後押しされていない点から、ファンダムと大衆性の乖離が発生している。
結局、答えは市場で探さなければならない、マニアなファンダム中心狙いだけでは、生命力を長く維持することは難しく、大衆の目線を考慮し、バランスを取る戦略が今後は必要