実母への財産分与を減らす判決、現行法では異例の判断
故ク・ハラの実兄が、養育を放棄した実母が、今になってク・ハラの遺産を要求していることに、裁判を起こしている問題で、裁判所が、1人で2人の子供を育てた父親側に「より寄与分を多く認めるべき」との判決を下しました。
今月17日、ク・ハラの実兄が、実の母A氏を相手取って起こした、相続財産分割審判請求訴訟で
遺族の貢献分を20%に決め、実父と実母が6対4の割合で遺産を分割するように
との判決が言い渡され、現行民法上では、故人に配偶者や子供がいなかった場合、財産は、両親(父・母)で特に制約なく「半分」に相続することになっているものの、ク・ハラの生い立ちを考慮した、異例の判決が下ったことになります。
実兄側は、これまで親としての扶養義務を果たさなかった実母が、ク・ハラが亡くなった後に、相続権を主張していることに反発「実母には相続資格はない」と再三、主張して来ました。
今回の判決で、まだ「(通称)ク・ハラ法」は制定されていないものの、実兄側の主張が一部認められ、一歩前進した形となっています。
ク・ハラの遺産「苦しい子供たちのための財団設立費」に
関係者
これまでは、例え1人で子供を養育したとしても、裁判所が寄与分を認めない判例がほとんどだった。寄与分を認めた今回の判断は「ク・ハラ法」がまだ通過していない現行法では、従来より一歩前進した判断だと言える。
実父が12年間(実母はハラが9歳の時に家を出る)、1人で養育責任を全うし、実母はハラさんに会おうとすらしなかった点などを根拠に、裁判所が父親の貢献分を認めた形になった。
両親は離婚しても未成年の子供を共同で養育する責任があるため、父親がA氏の助けなく、1人で子どもを育てたことは、単に子どもに対する扶養義務の一環と見ることはできず、「貢献」を認めるべきだということだろう。
未成年の子どもに対する養育義務は、単に親が費用を負担するだけのことではなく、子どもの身体的・精神的な発達のために努力することも含まれている。
ハラさんは早くから歌手活動を始め、自立していたので、実父が養育費用を多くは負担していなかったとしても、ハラさんを特別に養育したとは見るべきだ。
ただ、残念な点は、裁判所がこうした事情を尊重するとしても、「ク・ハラ法」の改正なしに、子どもを捨てた親の相続権を完全に喪失させることは不可能に近いということ、今回も実母の相続分が「0」になったわけではないため、1日も早い「ク・ハラ法」通過のため、みなさんのお応援をお願いしたい。
と、今後も「ク・ハラ法」通過に向けた運動を続けることを明かしています。
なお、実兄(ク・ホイン氏)はク・ハラの遺産について
勝訴すれば、妹のように厳しい状況の子どもたちを助けるための財団を作りたい
と明かしており、実父はすでに昨年、自身の相続分をク・ホイン氏に譲渡しています。