お金の問題じゃない?実は昨年末からHYBEと「ADOR株」で揉める
現在、HYBEから「業務上背任」で告訴されている、ADORのミン・ヒジン代表が歴史的な「暴言悪口記者会見(約150分)」をひらいた背景について
(経営権奪取なんて)試みたこともない。
私が正しいとか、偉そうなことを言っているわけでもない。私の今の正直な気持ちを伝えたかった。お金が関係しているわけでもない。
と、お金の問題ではないことを強調していましたが、実際には昨年からHYBEに、契約の「30倍」の修正を迫っていたことが報じられています。
正統な補償か?やり過ぎか?
HYBEが今回、ミン代表に背任の疑いで動き出した理由として、ミン・ヒジン代表が昨年末頃から、HYBEに対し自身に有利となるよう「株主間契約」の修正を強く求めていたことが挙げられています。
関係者によると
ミン代表側は昨年末、保有した「ADORの株式」のうち、「プットバック(市場価格に関係なく指定された価格で持分を売り戻す権利)」について、従来の13倍から30倍にするよう要求していた。
従来の契約の場合、ミン代表側がプットバックを行使すれば、HYBEはADORの2年間の営業利益平均値の「13倍」の値に持分比率を適用し、現在の基準では約1000億ウォンを手に入れることができる。
ミン代表が25日の記者会見で「私がお金を望んでいたら、こういう内部告発自体をしない。じっとしていても1000億ウォンを稼ぐ」と語っていた内容とも通じる。
—————————————–
HYBEは、ADOR設立当時(2021年)、ミン代表に総発行株式の10%に当たるストックオプションと、「13倍」が適用されたプットバックオプションを提供している。
これに加え、総発行株式の5%分の現金特別賞与も約束し、持分率では計15%、これに伴いミン代表が手に入れることができる金額は「計737億ウォン」
しかし同社からデビューしたNewJeansが大ヒットすると、ミン代表側はこれを根拠に成果に対する補償を要求した。
なのでHYBEはさらに、既存の「持分15%」に5%を加えた「20%(ミン代表18%+側近2%)」に持分率を増やしている。
しかしこの時点ではまだ、当初の「13倍」が適用されているのは、最初の持分15%分にだけだった。
問題は昨年末、株主間の契約再交渉で浮き彫りになる。
まだ既存株主間の契約締結から1年も経ってない時点で、ミン代表側は
倍数を「30倍」に引き上げること
さらに追加された5%分に対しても、プットバックオプションを適用して欲しい
と要求してきた。
HYBEは残りの5%に対しても適用することは受け入れたものの、引き上げに関しては
「30倍(1000億ウォン→2400億ウォン+αに跳ね上がるため)はさすがにやり過ぎ」
だとして、補償額があまりに天文学的な数字となるため、これを拒否。
それからの再交渉は膠着状態に陥っていた。
8年ルールに不満「奴隷契約」
この昨年からの「ADOR株」に関する動きが、今回の騒動の発端だとHYBE側は見ており
ミン代表はHYBEに「修正して欲しい」と粘り強く要求し、これによりミン代表の持分価値は高まるため、HYBEはこの動きが「経営権奪取」の布石だったと、見ている。
反面、ミン代表側はこの修正要求に対し
NewJeansの成功に伴う、正当な補償要求。
と反論しています。
ミン代表側が要求した、追加の「持分5%」の適用については、HYBE側も受け入れる意思を示しているため、判断はミン代表次第となっていますが、そもそも「8年勤続時に行使」という縛りがあることが、ミン代表側から「奴隷契約」だと指摘される要因となっています。
最初に契約した持分15%については「5年勤続後(2026年)」となっており、追加分が8年(2029年)となったことへの不満を明かしています。
ただHYBE側も、ミン代表の要求を無条件ではのめないという意味で
市場価格よりはるかに多くの利益をもたらしかねない「5%のプットバック」への追加適用という意味では、当然の条件
と、明かしています。