「クリス事件」中国アイドルファン文化の転換点に
香港メディアが、元EXOのメンバー、クリスの性暴行スキャンダル逮捕について
中国のアイドルファン文化の取り締まりの転換点
と報じました。
中国政府は今年6月から、アイドルファン団体、企画会社、関連ソーシャルメディアプラットフォームなどに対し、取り締まりを開始しており、すでに4000件以上のソーシャルメディアのアカウントや、39件のモバイルアプリなどが閉鎖されています。
また、Weibo(中国SNS)も「スターパワーランキングリスト」を廃止しており、このリストは、中国ファンが好きなスターへの支援や、愛を誇示する「インターネット戦場」の1つとして知られていましたが、ファン文化競争を加熱させる要因とも言われていました。
アイドルファン文化関連産業は、規模も大きく、中国で大衆の参加と表現が許容された、数少ない窓口だった。しかし、芸能関係者たちは、今回の「クリス事件」で、より中国政府が進めるアイドル文化への取り締まりが強化される、転換点だと話す。
アイドルファンパワーの取り締まり強化へ
また、このような中国のファン文化において、アイドル関連事業を展開する企業側などから、団体がキャンペーンに参加することに対し、団体を率いる代表らに「見返り」が支払われていたことも、報じられています。
ファンクラブ代表には、たまにイベント支援の見返りとして、10万元(120万円相当)を支払った。
インターネットの普及により、中国に韓国・日本のアイドル文化が気軽に入って来た当初は、政府側も静観していた時期もありましたが、あまりに巨大化するアイドルファン文化に対し、ちょうど取り締まりを強化する動きが始まったところに、今回の「クリス事件」が発生しています。
中国共産党が全ての社会部分において、統制を強化している状況の中「アイドルファン層」への影響力がまともに及んでいないことに、取り締まりの強化を進めていた。
そこに「クリス事件」が発生したことで、テストケースに選定された。今後、当局が芸能産業のスターファンダムの文化に本格的にメスを突きつける口実となるだろう。