イ・スンギ、チュウ(今月の少女)の紛争の背景
今年、俳優兼歌手のイ・スンギが、18年所属したHOOKエンターテインメントから、これまで音源収益を全く受け取っていなかった騒動ことを筆頭に、ガールズグループ「今月の少女」を脱退したチュウなど、事務所と所属タレントが収益に関する契約紛争に発展するケースが後を絶たない背景が話題になっています。
お互いのため、もっと契約書の内容・見方を重要視すべき
双方の言い分が食い違ったり、また、チュウにおいてはスタッフへのパワハラ疑惑まで言及される事態となっていることについて
ある歌謡界関係者
ここまで来ると、どちらか一方の肩を持ったり、非難できないような感情争いとなってしまった結果。
(契約書をちゃんと見たわけではないが)争う前に事務所側もアーティスト側も、もっと先に契約書の重要性を考えなければならなかった。
通常、デビュー3年頃までアーティストには収益から費用を差し引くのが一般的だ。そのため、活動するほどマイナスになる歌手も多く、かかる費用は多いのにテレビ出演料は少ないため、音源、アルバム、グッズ販売、コンサートチケットなどを売ってこそお金になる。
それができなければ収益にならないため、契約問題を軽く考えてはいけないが、双方ともその重みを認知できていなかったようだ。
K-POP市場があまりに盛んとなり、アーティストが幼い頃に契約するケースが多いため、契約書をまともに検討するのが難しいのが現実。両親を同伴するとしても、両親もエンタメ関係者や法的な契約を知る人物でなければ、契約書の用語や内容を気軽に理解するのは難しい。
標準的な契約書様式はあるものの、これもまた説明なしに理解するのは難しく、会社側には専門家がいるが、アーティスト側が内容を専門家なしに理解するのは難しいだろう。毎年、数多くの歌手がデビューしているが、契約の際、教育やサポートをしてくれる機関が必要な時かもしれない。
会社側もまた、デビュー時からアーティストに費用と収益処理に対して精算内訳を告知し、内訳書の見方を身につけられるよう説明することで、信頼を築くのがお互いに良い道だろう。最初から誘導する悪質な会社も中にはあるだろうが、ほとんどが最初は「うまくやっていこう!」と願っている中小会社の方が多い。
今や感情的な争いまで絡んでしまい、このような状況になってとても残念だ。