SM次期経営権はカカオに
SMエンターテインメントの経営権買収を巡る「カカオ対HYBE」の争いが、HYBEが公開買収を中断することで、劇的に幕を閉じました。
今後、SMの経営権はカカオが確保し、HYBEがプラットフォーム関連で協力することに合意、今月末に予定されている「第28回 SM定期株主総会」では、SM現経営陣&カカオ側が提案した理事が選任される見通しです。
SMの次期経営権を巡る争いは、HYBEとカカオだけでなく、ポータルサイト最大手「NAVER」、韓国エンタメ最大手「CJ ENM」なども加わり、これまで注目が続いていました。
SM次期経営権をめぐる流れ
2021年 イ・スマンPDがSM経営権の譲渡先を探していると報道
SMエンターテインメント創設者である、イ・スマンプロデューサーが、自身のSM株持分を売却する意向があることが報じられ、カカオとNAVERが対象企業であることが注目される
2022年 イ・スマン氏の個人企画会社が問題に
SM株の持ち分1%ほどのファンド会社「アライン(Align Partners)」が、イ・スマン氏の個人会社「ライク企画」に対する仕事の集中発注や、金の流れを問題視
この年、NAVERがSM買収に参加しないことを発表
アライン側はその後もSM経営に対する問題点を指摘し続け、結果として共同代表(イ・ソンス、タク・ヨンジュン)はカカオと手を握る決断を下す。
2023年 現SM経営陣が「脱イ・スマン体制」を発表
今年2月、現経営陣側がこれまで強い影響力を示して来たイ・スマンPD体制から脱し、新体制「SM3.0」を電撃発表
それと同時に、カカオが新株と転換社債(CB)買収を通じて、持分9.05%を確保することを発表
寝耳に水だったイ・スマンPDがこれに反撃、「禁止仮処分申請」を提出、さらにHYBEに自身の保有するSM持分18%のうち「14.8%」を売却する契約を結ぶ
HYBEはさらに、SM株「1株当たり12万ウォン」で公開買収することを発表、追加で25%確保を目指すことを宣言
「kakao & HYBE」結末にイ・スマンPDは?
この騒動にCJ ENMの参戦も注目されていましたが、正式に「SM買収戦」に参加しないことを発表
イ・スマンPDが提示した仮処分申請を裁判所が認めたことで、カカオは不利になります。
しかしHYBEの公開買収が高騰するSM株価に見合った金額ではなかったことで、わずか0.98%の確保しかできず、HYBEの追加確保も失敗に終わります。カカオがさらに公開買収の反撃に出ていましたが、状況のさらなる悪化を懸念し、両社の直接協議により、HYBEが買収を中断することが電撃発表されました。
なお、HYBEにSMエンターテイメントを託したイ・スマンPDですが、結果としてカカオが経営権を持つ結末に、今後どのような動きをするのか?注目するメディアもあります。